沖縄県で宝石サンゴの密漁をしたとして中国人船長が逮捕されました。
中国船による宝石サンゴの密漁が後を絶たないようです。
今狙われる宝石サンゴですが、サンゴはパッと想像できても宝石サンゴとなるとピンとこないかもしれませんね。
そもそも宝石サンゴとはいったいどんなものなのでしょうか?
宝石サンゴとは
宝石サンゴとは宝石として利用されるサンゴを指します。
サンゴは仏法による七宝の1つであり、3月の誕生石でもある歴史があり身近な宝石の1つです。
そんなサンゴの中でも八放(はっぽう)サンゴと呼ばれる口の周囲に8つの触手のあるものが宝石サンゴと呼ばれています。
その名の通り宝石サンゴは宝石として使用されます。
サンゴの種類として、赤サンゴ、桃色サンゴ、白サンゴなどが存在します。
名前通りの発色を放ちます。
日本産のサンゴの中で最も人気があるのは赤サンゴです。
真っ赤なサンゴの原木、盆栽のような真っ赤なサンゴを想像して頂けると分かりやすいと思います。
日本の赤サンゴは日本のみならず中国や台湾でも人気があります。
特に中国の富裕層の間で人気があるため、数年前と比べて値段が数倍に高騰しています。
中国で赤サンゴが人気なのは、中国では赤色は祝祭や慶賀にも用いられるありがたい色だからです。
中国船の密猟が行われるのも、宝石サンゴの人気や価格の高騰を受けてのものでしょう。
ちなみに宝石サンゴの価格については、サンゴの質も影響してきます。
例えば赤サンゴならば、赤が深ければそれだけ値段も高くなる傾向があるようです。
特に深みのある赤サンゴを血赤珊瑚と呼び最高ランクに指定されています。
他のダイヤモンドなどの宝石類のように加工して装飾品として使う場合もありますが、原木をそのまま飾って楽しむ方も多くいます。
その場合枝の形がいいほど価格はより上がっていきます。
サンゴの枝は潮の流れが激しい所のサンゴほどより形が良くなるようです。
一概には言えませんが、宝石サンゴの価格は高い原木で1000万円を超えるものもあるそうで、ものすごい価値があることがわかります。
宝石サンゴ密猟の問題点
宝石サンゴは成長が非常に遅いです。
そしてサンゴはデリケートな生物として知られています。
海水温の上昇などが原因でサンゴが死滅した「白化現象」は大きな問題となっています。
人気が高まり価格が高騰している現在乱獲が心配されています。
野生生物の保護をはかるワシントン条約で宝石サンゴの取引を規制すべきではないかという意見も出ています。
そのワシントン条約でサンゴ礁を形成するサンゴは保護されています。
現在流通している宝石サンゴは深海に生息するサンゴです。
そのため宝石サンゴがどのくらい生息しているか詳細を掴めていないのが現状です。
ただ宝石サンゴの成長が非常に遅いことはわかっているので、乱獲や密猟は絶滅につながる可能性もあります。
貴重な資源である宝石サンゴを守っていくために問題にきちんと向き合い適切な対策を行うことが求められます。