サッカーはボールを蹴ってゴールに入れれば得点となる極めてシンプルなスポーツです。
その分かり易さが世界でも最も人気のあるスポーツとされる所以でもあるわけですが、1つだけ分かりにくいルールが存在します。
攻めているいい場面で突然笛が鳴るオフサイドというルールです。
私も最初はなぜいい所なのに笛を吹くのかよく分かりませんでした。
しかしオフサイドさえ理解してしまえば、サッカーの試合をほぼ理解して楽しむことが出来ます。
複雑な解釈はテレビならば実況や解説の方が説明してくれますからね。
サッカーでも唯一と言っても過言ではない複雑なルール オフサイドとはどのようなものかなるべく簡単にご紹介します。
オフサイドの基本
オフサイドとは簡単に言えば待ち伏せ禁止のルールです。
サッカーはイギリス発祥の紳士のスポーツですから、フェアプレーの精神は非常に大切にされています。
正々堂々戦い、相手にも敬意を払うのがフェアプレーです。
待ち伏せ行為はフェアプレーの精神に反している上に仮にゴール前で待ち伏せしていいのなら、ボールを取ったら即ロングボールを出して味方に渡せばよくなります。
そうなるとお互いにロングボールを蹴り合うだけのつまらない試合になってしまいますね。
多彩な戦術で見る方も楽しめるのはオフサイドルールのおかげでしょう。
オフサイドとは
具体的にオフサイドとはオフサイドラインを越えてオフサイドポジションでボールを受けることを禁止するルールです。
言葉だけでは分かりにくいので拙い図を用意しました。
赤丸が相手、青丸が味方です。
相手選手の中で一番自分のゴールに近い選手の後方に引いた水色のラインがオフサイドラインです。
このオフサイドラインを越えて待っている水色で囲んだ選手がいるポジションがオフサイドポジションです。
この状態でボールをパスして受けるとオフサイドになってしまう訳ですね。
簡単に言えば相手のディフェンダーより前に出る(ゴールに近い位置にいる)状態でボールをパスしてもらうのは待ち伏せ行為でオフサイドになりますよということです。
なお正確には「競技者がボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い」状態をオフサイドとしています。
ごく稀にゴールキーパーがディフェンスの選手より前に出ることがあるためややこしい文面になっていますが、要するにゴールキーパーの直前にいるのが2人目の選手ですから、一番後ろのディフェンダーということですね。
オフサイドの駆け引き
なおオフサイドポジションにいるだけならオフサイドにはなりません。
あくまでもオフサイドポジションでボールを受けるなどプレーに関与する行為がオフサイドとなります。
ボールを受ける以外にもオフサイドポジションで視線を送って惑わせたり、ゴールキーパーの前に立って目隠しするようなプレーに干渉する行為もオフサイドとなります。
ちょっと複雑ですが図で示した水色のラインを越えなければ問題ないということですね。
しかしこのオフサイドのルールを利用して相手選手をオフサイドの位置に置き去りにする戦術があります。
オフサイドトラップというものです。
守備陣が連携してディフェンスの選手が一列に並ぶのをラインコントロールと言いますが、ラインをコントロールすることでオフサイドラインをコントロールして意図的に相手選手をオフサイドの位置に置き去りにします。
フォワード(FW)の点取り屋は常にこのオフサイドのラインを意識しながら相手のディフェンダーと駆け引きをしなければなりません。
フォワードの選手の見せ場はもちろんゴールですが、ディフェンダーとの駆け引きも見どころの1つです。
守備のいいチームはこのラインコントロールの統制が優れているから、堅い守りで強いのだと思います。
オフサイドを理解し、この駆け引きが分かるようになるとサッカーの試合をより楽しむことが出来ますよ。