お正月の風物詩として数々のドラマを生み出してきた箱根駅伝。
毎年この時期にはテレビに噛り付いて見ています。
年々レベルが上がっていて各校の力も拮抗しているため近年は非常にハイレベルな戦いが繰り広げられますね。
首位争いはもちろんシード権争いも熾烈で見どころが多い。
そんな箱根駅伝の見どころの1つでもある関東学連選抜チーム(学連選抜)が第91回大会から関東学生連合チーム(学生連合)へと変更されました。
一体何が変わったのか調べてみました。
関東学連選抜チームとは
学連選抜とは箱根駅伝の予選会で敗れた学校から実力上位者を集めてチームを編成したものです。
2003年の第79回大会から編成され、2007年の第83回大会から正式に1つのチームとして参加出来ることになり順位がつくことになりました。
順位がつくことにより10位以内に入った場合にはシード権を獲得したものとみなされ、通常10校のシード校が9校となるため予選会の出場枠が1つ増えました。
予選会から箱根駅伝本選へ出場を目指す学連選抜の面々には、チームで勝つことも非常に大きな意味を持つこととなり2008年には4位入賞を果たしました。
学連選抜は城西大学や上武大学など新しく参入した大学駅伝部の力を育み、古豪と呼ばれるかつての名門校の復活のきっかけとなってきました。
大学のエースが箱根駅伝を実際に走った経験を仲間に伝えるのでチームの力を大きく伸ばします。
また視聴者としても珍しい大学の選手が箱根を走るのを見れるのは新鮮で、学連選抜と言う制度は意義のあるものでした。
学連選抜の問題点
学連選抜には箱根駅伝に出場できない選手のために出場機会を広げる意味がありました。
ただ参加する大学がほぼ同じで固定化されているのではないかという意見があります。
名門と言われる大学は多少の波乱はあれどほぼシード権を獲得し、予選会でも勝ち上がってきます。
そうすると箱根駅伝に出場できない大学と言うのもおのずと固定されてしまっているのではないかということです。
また学連選抜では各大学のエース級が集められます。
エースを集めれば勝てるわけではないのがスポーツの面白さですが、学連選抜の力は優勝争いをするチームと遜色ありません。
メンバーが固定化されエース級が集うのは少しずるいような気がしますね。
箱根駅伝には新しい大学も参加するようになり、シード権を獲得する大学も毎年入れ替わります。
門戸も広がり出場機会も増えた今、学連選抜はその役割を十分に果たしたのではないかという声が上がりました。
そもそもチームスポーツであり箱根を走るメンバー以外も一致団結してゴールを目指すのが駅伝であり、寄せ集めチームの学連選抜には否定的な意見もあるようです。
様々な問題点もあり学連選抜は廃止が検討されていました。
学連選抜から関東学生連合へ
廃止が検討されていた学連選抜ですが、市民ランナーとして有名な川内優輝選手など学連選抜として箱根を走った選手の中からマラソンで活躍する選手が何人も登場しました。
箱根駅伝はそもそも「長距離やマラソンで活躍する選手を育成する」ために生まれました。
学連選抜出身の選手が実際に活躍しているのに廃止はおかしいということで、第91回大会より関東学連選抜から関東学生連合へ名称変更され存続が決まりました。
学連選抜の問題点も考慮していくつか変更されています。
学連選抜では正式参加のため順位はもちろん、個人の記録も正式な記録として残りました。
学生連合チームではオープン参加として箱根駅伝に参加します。
そのためチームとしての順位は付かず、オープン参加のため個人の記録は参考記録となります。
ここがまずは学連選抜から関東学生連合になって変わった点です。
また「固定化されている」という問題点が指摘されていたことから関東学生連合チームは1校から1名が選出され、かつ選出された選手は本大会出場回数が2回を超えないことと制限がつきました。
まだ試行錯誤の段階ではありますが、学生連合チームとして学連選抜が復活したのは嬉しい限りです。
今度の駅伝ではどんなドラマが生まれるか今から楽しみですね。