ガストリックって何だかわかりますか?
私は最初ガスを使ったマジックかと思いましたが違いました。
料理にコクを与えてくれる万能調味料をガストリック(gastrique)というのです。
家庭でも簡単に作れるということでご紹介します。
ガストリックソースの作り方
ガストリックはフランス料理でよく使われている調味料です。
フランス料理のシェフも愛用するコクの決め手ですが、材料も作り方も意外と簡単です。
さっそくガストリックのレシピを書いていきます。
材料はグラニュー糖(砂糖)とお酢(米酢)の2つと水だけです。
お酢は米酢の他ワインビネガーでもいいようです。
むしろフランス料理ではワインビネガーが使われているのでしょうが、米酢のほうが各家庭にありますからね。
分量はお砂糖5に対してお酢1です。
作り方はこれらをお鍋に入れて強火で加熱するだけです。
全体的に黒っぽくなり煙が出て来たくらいでお砂糖の半分の量の水を入れて完成です。
すごく簡単ですね。
味はまさに理科の実験で使ったべっこう飴の失敗版のような甘苦い複雑な味で、それだけで味わうものではありません。
料理に使うとコクを与え味に深みが出ます。
フレンチにはもちろん例えばカレーやシチューに使っても本格的な味に仕上げてくれそうです。
綺麗な容器に入れれば2週間くらいは保存も出来るようですね。
コクの秘密はメイラード反応
ガストリックソースはメイラード反応という化学反応によって出来ています。
メイラード反応とは還元糖とアミノ化合物を加熱した結果、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のことです。
これでは全然わかりませんね。
もう少し詳しく調べてみました。
メラノイジンというのが褐色の物質であったことから、日焼けでお馴染みのメラニンと似た物質としてこのような名前が付きました。
非常に複雑な化学構造のためいまだに正確な構造はわからないのだそうです。
このメラノイジンは身近なところに存在しています。
醤油や味噌のあの色は褐色物質メラノイジンのものですし、肉や魚は元よりパンやお菓子の褐色した食品の全てにメラノイジンは存在しています。
メラノイジンには強い抗酸化作用があり免疫力の低下を防いでくれると注目されている物質です。
またメラノイジン自体に味はないようですが、コクを与える作用があるそうです。
カレーを一晩寝かすとコクが出ると言われていますが、これはメイラード反応によりメラノイジンが増加するからだと言われています。
これがガストリックソースがコクを与える秘密です。
簡単に作れますし機会がある時にお試しください。