錦織圭選手の活躍でテニスの試合を地上波でも見れるようになってきました。
特に注目度が高まる四大大会では大会ごとにテニスコートの種類が違うのも魅力の1つです。
テニスコートにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が違います。
特徴の違うコートに対応しなければならない為テニス選手は大変ですね。
テニスコートの種類についてコートごとの違いや特徴を解説していきたいと思います。
クレーコート
記憶に新しいクレーコートから行きましょう。
クレーコートはその名の通り土のコートです。
四大大会ではフレンチオープン(全仏オープン)で使用されているコートです。
土を固めた地面の上に高温焼成したレンガなどを粉砕して作られた赤褐色の土(アンツーカー)を使用することから、レッドクレーとも呼ばれます。
日本でも全仏オープンの際には赤土という言葉を何度も聞いたことでしょう。
クレーコートの特徴はボールのスピードが遅くなり、弾むようになるということです。
土が威力を吸収し球足が遅くなるため、長いラリー戦が続きます。
サーブを武器とするビッグサーバーにはやや不利なコートとなります。
またボールが弾むためスピン系のボールが有効となってきます。
あともう1点特徴としてよく滑るということです。
スライディングのように移動できるので、不意打ちのボレーもこのコートでは拾われてしまいます。
デメリットとしては天候の変化に影響を受けやすい点が挙げられます。
雨が降れば湿り、風が吹けば砂が舞います。
ちょっとしたことでコートの性質が変わるため対応力が求められます。
球速が遅くなりショットがなかなか決まらないので体力はもちろん、メンタル面も重要になってくるコートです。
グラスコート
世界最古のテニス大会であり、最も伝統と格式が重んじられるウィンブルドン選手権(全英オープン)で使用されているコートです。
美しい芝のコートはテニスと言えば最初に思い浮かべるものかもしれませんね。
天然芝を敷いたコートをグラスコートと呼びます。
かつては多くの大会で採用されていましたが、天然芝の手入れには熟練の技が必要で維持費も掛かるため現在ではグラスコートの数は激変してしまいました。
グラスコートの特徴は滑るようにボールが弾むため球足がとても速くなります。
バウンドも低くなるため高速サーブを持つビッグサーバーに有利なコートです。
もう1つの特徴がコートの状態によってイレギュラーバウンドが起こりやすいということです。
芝なのでちょっと踏むだけでもボールの軌道が変わります。
そのためサーブ&ボレーの選手が有利とされていますが、最近ではサーブ&ボレーのスタイル自体あまり見かけなくなりましたね。
足場が柔らかく滑りやすいためフットワークがとても大切になるコートです。
この高速サーフェスでは拾ってつなぐスタイルの選手は極めて不利となります。
ハードコート
セメントやアスファルトを使用し表面を合成樹皮などでコーティングしたコートです。
比較的新しいコートで維持管理も楽なため、今最も普及しているコートかもしれませんね。
四大大会においては全豪オープン、全米オープンで使用されています。
ハードコートの特徴はボールが良く跳ねて球足が速いです。
クレーコートが弾む、ハードコートが跳ねると何となくイメージして頂ければなと思います。
高くバウンドしスピードも出ます。
もちろんここでもビッグサーバーは有利ですがバウンドが大きい分、芝よりも返されます。
スピードが出るので強力なストロークを持つ選手が有利となります。
またよく跳ねるのでライジングが有効で、ライジングでのラリー戦となることも珍しくありません。
コートの状態が環境に左右されない為、イレギュラーバウンドはほとんど起こりません。
設置されている数も多いので最もスタンダードなコートと言えるでしょう。
あと特徴と言えば「キュキュキュ」というスライド音が挙げられます。
ハードコートは滑りにくいので勢いよく踏み込んでもブレーキがかかります。
地面が固く滑らないため体に負担が掛かりやすいのもハードコートの特徴でしょう。