2017年4月1日から消費税は10%へと増税されることが決定されています。
今の8%も個人的に辛く感じるので10%への増税はかなりの負担を感じます。
5%の時代に税込表記を義務付けた後に8%になった際に金額が中途半端だとして「外税表示」が時限的に認められたこと、極端な円高から円安になったことで余計に3%の負担が重く感じました。
さらに2%の増税を行う時に国民の痛税感を減らすために導入が検討されているのが軽減税率です。
話し合いは難航していたようですが、どうやら外食以外の食品類で軽減税率が適用されて今まで通り8%で買うことが出来そうです。
たった2%ですがありがたいと思います。
しかしこの軽減税率のたった2%のために私たちは更なる負担を強いることになるのではないかと危惧しています。
本当にたった2%なのか、軽減税率のデメリットについて考えてみました。
軽減税率のデメリット
前に消費税の逆進性について取り上げました。
簡単に言うと生活必需品を買う量はそんなに変わらないので消費税は低所得者ほど年収に占める負担が大きくなるというものです。
本当は低所得者ほど税負担は軽くならなければならないのに逆に負担が大きくなっているために消費税の逆進性と言います。
軽減税率は低所得者のための制度と言いますが本当でしょうか?
確かに食品の税率が下がるのは有難いことです。
しかし軽減税率では消費税が抱える逆進性を解決出来ていません。
むしろ平等に2%の減税があるということは、購入金額の大きくなる高所得者が得をすることになります。
1000円のステーキ肉も1万円のブランド牛も等しく2%の軽減税率ですから20円と200円の減額と10倍も差が出ます。
また税率が複数存在することで各会社や事業所は大きな負担を強いられることになります。
現在日本では帳簿上の売上高に税率を掛けたものから帳簿上の仕入れ高に税率を掛けたものを控除し、納税すべき税額を算出する帳簿方式を採用しています。
全て一律の税率だったので後でまとめて計算することが可能でしたが、軽減税率が適用されたものとされない物の2種類が存在するようになるとこの方法は不可能です。
そこで領収書のようなものを利用して正確に個数と税率を管理するインボイス方式を採用して計算することになりますが、今までと違って全て集計する必要があり人件費が多く掛かる可能性があります。
人を雇う、残業して作業する、外注して専門の会社に頼む
どうやっても費用が掛かる点もデメリットでしょう。
消費税の税率は10%で止まるのか
軽減税率を適用した場合には一律に10%に引き上げるよりも1兆円の減収になる可能性があるそうです。
個人的に危惧しているのは消費税の税率は10%で止まるのかということです。
「軽減税率を適用した結果、思ったように税収を確保出来なかった。そこで税率を15%に引き上げる」
なんてことになるのではと危惧しています。
食品の軽減税率8%は維持するとすれば15%が8%になるので大きな反発は避けられるかもしれません。
しかし食品以外の生活必需品もたくさんあります。
衣類、紙製品、洗剤、明かり、医療品
最低限の生活を想像してもたくさん思い浮かびます。
これらの消耗品は購入しなければならないので、更なる増税は負担となります。
また家電製品や自動車、住宅という額の大きなものを購入する際にも消費税は掛かってくるので軽減税率があっても私達の負担は大きいでしょう。
今はたった2%の減税であまりメリットもなさそうです。
でも7%、12%と減税の率が上がって行く中で冷静に判断出来るのでしょうか?
軽減税率が更なる増税への言い訳、まやかしに使われるのなら一律で10%にしてもらったほうがいいです。
軽減税率のデメリットを考慮してなお適用すると言うならせめて消費税の増税はしないと約束してほしい、未来を不安なものにしないでほしいと私は思っています。