秋から冬にかけて流行し乳幼児が感染すると非常に危険な病気があります。
その名も「RSウイルス感染症」
RSとはrespiratory syncytial の略です。
乳幼児が感染すると重い肺炎になることもある危険な病気RSウイルスとはどのような病気なのか見ていきましょう。
RSウイルスの症状とは
RSウイルスは乳幼児の代表的な呼吸器感染症です。
1歳までに約半数がかかり、2歳までにほぼ100%の乳幼児がこのRSウイルスに感染します。
というのも母親からの抗体では感染を防ぐことが出来ず、繰り返し感染発症しながら抗体を獲得していくためです。
感染から大体2日から5日ほど置いて発病します。
症状としては発熱や鼻水、乾いた咳が出るといったもので多くは軽症で済みます。
軽症の場合や大人が感染した場合にはほとんど風邪と見分けがつかないでしょう。
軽症の場合は1週間もすれば全快します。
では何が問題なのかと言うと1歳未満の乳幼児、特に6か月未満の乳幼児や低出生体重児、先天性心疾患などの子がRSウイルスに感染すると細気管支炎や肺炎といった危険な症状が出ることがあります。
そのためRSウイルスは乳幼児がかかると危険と言われるのです。
RSウイルスの予防方法
RSウイルスの予防方法の1つとして予防接種があります。
「シナジス接種」という注射薬がRSウイルスに対する今の所唯一の予防薬です。
そもそもRSウイルスに有効な薬がないため開発されたのがこのシナジス注射で非常に高価な薬となっています。
非常に高価かつ希少なため健康保険の対象となる乳幼児にも制限があります。
在胎期間28週以下の早産の乳幼児や2歳以下の先天性心疾患の子などです。
条件に該当する乳幼児だけが保険の適用を受けることが出来ます。
しかしこの「シナジス接種」は高いだけでなく、シナジスの効果が約1か月しか持続しないため1か月に1回細い注射針を用いて大腿部に注射を行わなければなりません。
秋から冬にかけてつまり6か月ほど継続して注射しなければならず、体重によって注射する量も増えるため年齢が2歳に近づくほどかかる費用も増えます。
ですので保険適用内の乳幼児であっても10万円以上はかかる場合があるそうです。
また保険対象ではないけれどRSウイルスにかかるのが心配で予防接種を受けさせたいという方もいらっしゃるでしょう。
もちろん保険対象でなくても受けられますが、対象外の方は100万円以上かかるケースもあるそうです。
保険の対象外と言うことは予防接種をしなくても問題にはなりにくいということですが、それでも気になる方はお医者様に相談の上予防接種が必要か判断を仰いでください。
個人で出来る予防方法
RSウイルスは感染力が非常に高く、特に乳幼児への感染ルートは家庭内での感染が多いようです。
基本的には家族が風邪の対策と同じことをすることが予防につながります。
外出時にはマスクをして帰宅時にはしっかり手洗いうがいをするなど、まずは大人がかからないようにしましょう。
そして特に兄弟姉妹がいる家庭では上の子供が持ってきてしまうこともあるので家族みんなでウイルスを家の中に持ち込まない意識が大切です。
秋から冬にかけては乳幼児を連れて人混みは避けるべきでしょう。
万が一にもかかってしまった場合ですが、重症化しなければ基本的には風邪と同じように解熱して安静にしていれば1週間もすれば治ります。
慌てずにまずは病院を受診して早めに対処しましょう。