トヨタ自動車と言えば日本を代表する大企業です。
トヨタの株は国債よりも安全と言われるほどの規模と安定性を誇ります。
そのトヨタ自動車が株主総会の決議により元本保証の新型株の発行を決定しました。
普通株とは権利の内容が異なる種類株として発行されるのですが、内容は元本保証かつ最高2.5%の利回りの配当が確定しているというとんでもないものです。
トヨタ新型株とはどのようなものか、詳細についてご紹介します。
トヨタ新型株とは
このトヨタ新型株正式名称は「AA型種類株式」と言います。
普通株とは違う種類株というものですが議決権が付いており、残余財産の分配においても普通株式よりも優先されます。
これだけ見ると条件はほぼ普通株と同等ですね。
何が違うのかと言うと一番の違いは元本保証です。
発行価格での取得を会社に請求できる、つまり株価の値下がりリスクを回避できます。
配当については初年度から発行価格に対して年率で0.5%、1.0%、1.5%、2.0%と上昇し、5年度目以降は2.5%の利回りが確定しています。
値下がりリスクを負わずに5年目以降は2.5%の利回りを受け取れる非常にお得な株となっています。
しかもトヨタの普通株への転換も可能となっています。
株価が上昇していれば普通株へ転換して売却益を得ることも出来るのです。
投資対象としてはかなり魅力的ではないでしょうか。
しかし当然いくつか条件も付きます。
まずトヨタ新型株の価格は発効日のトヨタ株の株価の2割増し以上で決定されます。
メリットを考えればこのくらいは当然ですね。
そして譲渡制限が掛かっており5年間は手放すことが出来ません。
5年目以降は2.5%の利回りが確定している以上、短期間での売却は返って損です。
リスクを負わない以上長期保有が前提となるため5年間の譲渡制限はあまり気にしなくてもいいのでしょうが、有利な条件だからといって全財産を投じるような無茶な投資をするとこの制限が大きな負担となるでしょう。
投資はあくまで余剰資金で行うべきですね。
トヨタ新型株はお得か
条件から見れば間違いなくお得です。
同じ5年間の元本保証の5年国債の適用利率が現時点で0.08%であることを考えれば、最短で手放してもかなりお得であることが分かると思います。
ただ普通株と比べるとどうでしょうか?
トヨタ自動車の普通株は大体8000円前後で推移しています。
単元株は100株なので購入には最低80万円必要ということですね。
新型株は最低でも2割増しの値段で発行されるので100万円は購入に必要となります。
決算発表では日本企業初の税引き後利益を2兆円台に乗せたとニュースでも大いに話題となりました。
1株当たりの配当金も前年度から75円プラスの165円となっています。
8000円から配当金165円を割ると利回りが2.0%であることがわかります。
トヨタ新型株は5年では平均1.5%の利回りですので、短期で比較すると普通株の方がお得ですね。
しかも来年度も順調に利益を伸ばすとさらに配当金も上がります。
普通株は株価下落のリスクを負っているので一概に比較はできませんが、よりお得にトヨタ新型株を運用するにはやはり長期保有する必要がありそうです。
購入方法について
この素晴らしい元本保証の株はどこで買えるのか。
2015年7月2日から7日の間に発行価格が決定し、申込期間は7月22日までとなっています。
気になる購入方法ですがどうやら野村證券の専売となるようです。
ネット口座ではなく実際の本支店に口座を持つ顧客にのみ販売されるようですね。
各支店ごとに割り当てられる株数は決まっており、これだけ注目を集めるものとなるとすでに予約で埋まっているかもしれません。
証券会社さんもそれぞれお得意様を抱えており、条件が良い物は優先的に買ってもらうのだと株式の本で読んだことがあります。
野村證券の店舗口座を持っていない方は、新規で口座を開設してトヨタ新型株を割り当ててもらえるか確認するべきですね。
取引の無い方はもしかしたら売ってもらえないかもしれませんが、長期間動かす予定の無い余剰資金があり購入出来そうな方は検討の余地ありです。
リスクを負わずに2.5%の利回りはかなり魅力的です。