前回は財形貯蓄制度の種類やメリットについてご紹介しました。
財形貯蓄制度は計画的にお金を貯めることが出来る制度です。
しかし財形貯蓄はただお金を貯めるだけのものではありません。
実は財形住宅融資という融資も受けることが出来るのです。
財形住宅融資とはどのような住宅ローンか見ていきましょう。
財形住宅融資とは
実は財形貯蓄制度利用者が使える融資は他にもありました。
財形教育融資と言う教育ローンもあったのですが、平成23年9月30日に廃止されてしまいました。
融資の所得制限がないため利用者も多かったはずなので残念ですね。
現在財形貯蓄制度を行っている人が利用できるのは財形住宅融資だけです。
自己の居住用住宅の建築・購入・増改築のための融資を受けることが出来ます。
この融資は財形住宅貯蓄だけでなく、一般・年金も含めて種類を問わず融資を受けることが出来ます。
財形住宅貯蓄しか対象とならないというのは間違いですので注意が必要です。
あくまでも財形貯蓄で貯めたお金を住宅にしか使えないとだけです。
融資の条件ですが、財形貯蓄を1年以上続けかつその残高が50万円以上あることが条件となります。
最短で条件を満たすには月に42000円ずつ積み立てればいいので、そこまで厳しい条件ではありませんね。
融資限度額は財形貯蓄残高の10倍か4000万円のいずれか少ない金額です。
つまり最高融資額は4000万です。
ただし最高融資額を受けるためには400万円財形貯蓄で積み立てなければならないので注意してください。
財形住宅融資をなるべく早く満額で受けるために月に40万円ずつ積み立てなど普通の人は無理なはずです。
財形貯蓄は給料からの天引きですからね。
計画的な貯蓄と時間が必要となります。
更に総返済負担率が条件を満たしている必要があります。
総返済負担率とは年収に占める全ての借り入れの年間合計返済額の割合のことで
年収400万円未満で30%以下
年収400万円以上で35%以下
と基準が設けられています。
例えば他にカーローンなどがあるとこの総返済負担率が基準を超えてしまい借りられる額が少なくなる可能性があります。
融資を受ける際には他のローン状況も確認しましょう。
利子補給制度とは
これは会社によって設けているところもある制度です。
どんな制度かと言うと従業員の住宅取得を促進するために住宅ローン金利の一部を会社が負担してくれる制度です。
財形住宅融資は5年間の固定金利で5年ごとに金利が見直されます。
平成27年4月時点では金利年0.98%です。
ここまで金利が低いとほとんど恩恵はないかもしれませんが、例えば金利が3%ならば1%を会社が負担してくれるという制度です。
住宅手当などの福利厚生に近い性質のもので実施していない会社も多いでしょう。
また会社によっても条件は異なりますので会社の規定を確認してください。
現在の低金利ではほとんどの人が利子補給制度を活用出来ないかもしれません。
しかし財形住宅融資は数十年払い続けるもので金利も5年ごとに見直されます。
将来金利が上昇した際に助けられることになるかもしれません。
例のように3%のうち1%でも会社が負担してくれればずいぶん助かるはずです。
現在はフラット35や市中銀行の住宅ローン金利も低く財形住宅融資のメリットはあまりないかもしれません。
しかし将来金利が上昇した時に財形住宅融資が有利になる可能性もあります。
金額が大きい分選択肢は多いに越したことはありません。
住宅購入を考えているならば財形貯蓄制度はメリットしかありません。
お金を貯めるだけでなく融資も受けられるんだと頭の片隅に入れておけば将来役に立つこともあるでしょう。