財形貯蓄制度とは勤労者の計画的な財産形成を促進するための制度です。
この財形貯蓄制度を導入している会社の社員やアルバイトなどの人が給与天引きで貯蓄を行うことが出来ます。
正式名称は勤労者財産形成貯蓄ですが、多くの方が「財形」と呼んでいるこの制度はメリットの多いお得な制度と言われています。
しかし意外とその内容や具体的なメリットは知られていないのではないでしょうか?
新年度になりましたし、知らないと損な財形貯蓄制度とはと題して1つずつ説明させて頂きます。
財形貯蓄制度の種類とメリット
財形貯蓄制度には種類が3種類あります。
特に制限がなく利用しやすい一般財形貯蓄
住宅の所得・増改築のための財形住宅貯蓄
年金として受け取ることが出来る財形年金貯蓄
の3種類です。
さらに積み立て先によって「貯蓄型」と「保険型」があります。
簡単に言うと銀行に預けるか、保険会社に預けるかで分類が変わってきます。
まず共通のメリットをご紹介します。
1つは給料から自動的に天引きして貯金してくれるという点です。
貯金というのはなかなか大変な物です。
一時的に貯金に回せるお金を持っていてもそのまま貯金出来るかというと別の問題となってきます。
気付いた時には使ってしまい無い!というのは誰もが経験することだと思います。
財形は全自動で給与から天引きしてくれるので元々なかったものとして扱うのでそれはそれで何とかなるものです。
最近はネットバンクなども登場し手続きも楽になっていますが、申し込みを行えば給料から自動で天引きしてくれるというのはメリットと言えるでしょう。
2つ目は奨励金の存在です。
財形貯蓄制度促進のために奨励金を設けている会社があります。
利息とは別に、例えば1万円事に100円の奨励金がつけば利回りは1%です。
銀行の定期預金がキャンペーンなどの条件をクリアしてやっと0.3%程度のことを考えるといかにお得かがわかります。
しかも本来の利息とは別なので1%+0.3%受け取れるというワケです。
ただこれは設けていない会社も多いですし、奨励金のシステムも会社によって違うので会社の規定を確認しましょう。
金額に関係なく1000円の奨励金がついていたり、金額ごとにパーセンテージが上昇していくなど本当に様々です。
非課税枠550万円とは
さらに財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄には非課税枠という大きなメリットが存在します。
「貯蓄型」と「保険型」積み立て先に関わらず最高で550万円の非課税枠が設けられています。
550万円預けていれば0.3%の利息だとして550万円×0.003=16500円となります。
利子所得には20%の税金が掛かるので本来は3300円持っていかれて13200円を受け取れることになります。
しかし非課税でしたら税金はかからず16500円を丸ごと手に入れることが出来ます。
確かにあまり多くはないですが銀行に普通に預けていれば毎回20%ずつ税金を取られてしまい、その分お金が貯まるのも遅くなります。
非課税だからその分早くお金が貯まると考えれば悪くないメリットだと思います。
ただし優遇されている分1人1契約しか出来ず目的外の払い出しは出来ません。
目的外の払い出しは解約扱いとなり貯蓄型であれば払い出しから遡って5年分の利子、保険型であれば積み立て開始からの利子全てが20%の課税対象となるため注意が必要です。
つまり住宅を買う予定が全くないのに財形住宅貯蓄を利用しても非課税のメリットが受けられないので利用する際にはよく考える必要がありますね。
さらに財形貯蓄制度の利用者は融資を受けることも出来ますが、それは次回紹介したいと思います。